研究総括 |
安井 至 国際連合大学, 名誉副学長
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研究期間 (年度) |
2008 – 2015
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概要 | 本研究領域は、我が国がハイリゲンダムサミットにおいて提案した2050年までに世界の温室効果ガスの排出を半減させるという目標に向け、主に二酸化炭素の排出削減について、既存の抑制技術の2倍程度の効率を有する革新的技術の開発を目標としています。例えば、再生可能エネルギーにおける画期的な性能向上を実現しうる技術、さらには、大気中の二酸化炭素の革新的な処理を可能とする技術、等の直接的、間接的二酸化炭素排出抑制技術を、新概念、新原理に立脚して創出することで低炭素社会の実現を目指す研究を対象とするものです。 具体的には、原子力を除く非化石資源の新エネルギー技術全般を対象とするものであり、既存製品の効率を抜本的に向上できるエネルギー生産・貯蔵技術や革新的低コスト・低エネルギー化を実現しうる技術、例えば、新概念の太陽電池、二酸化炭素処理技術、海洋エネルギーやバイオエネルギー等を利用した技術などを対象とします。また、これらの技術に加え、化石資源エネルギーの利用を前提としつつも、二酸化炭素放出量を激減しうる対策技術が含まれます。このように、主にエネルギー供給側の技術全般を対象としていますが、省エネルギーを意図した需要側技術も、ある種のエネルギー創生技術であるという立場から、革新的であり、かつ社会へのインパクトの高いものであれば対象とします。 現在の産業構造やエネルギーインフラ構造の枠組みにイノベーションをもたらす目的基礎研究の提案を期待しますが、その提案にあたっては、その技術が2020~30年程度までに実用化された際、どの程度の排出抑制が期待できるか、何億トンの削減が可能といった定量的なシナリオが描けることを要件とします。
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