多細胞間での時空間的相互作用の理解を目指した定量的解析基盤の創出
研究総括 |
松田 道行 京都大学, 大学院生命科学研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
2019 – 2026
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概要 | 本研究領域では、組織等における多細胞間の時空間的な相互作用を、分子レベルあるいは細胞レベルで解析し、動的な生命システムの理解に資する技術や理論の創出を目指します。 近年、1 細胞レベルでのオミクス技術やイメージング技術、さらには大量データを処理する計算機科学等の発展に伴い、細胞や生体分子の網羅的かつ定量的な解析が可能になりつつあります。 これにより、個別の遺伝子や分子に着目した研究から、遺伝子群や分子群の 1細胞レベルでの変化を対象とするような、より複雑な解析へとライフサイエンスの方法論に変化が認められます。 しかしながら、時空間を考慮した生命システムの研究では、細胞や分子の経時的解析や組織・生体の三次元解析などで多くの技術的な隘路が存在します。そのため、技術的なブレイクスルーにより、生体内やそれに近い状態における細胞内外の分子の挙動や細胞の動態変化などに関して、時間情報や位置情報を加味した定量性の高い計測手法やデータ解析技術等の創出が求められています。 このような背景を踏まえ、本研究領域では、細胞間や分子間のネットワークの時空間的な理解に資する新たな技術や理論を構築し、多細胞動態の解明に関する研究開発を推進します。 また、これらの研究開発を通じて得られる質の高いデータやパラメータ等から、多細胞の動態を予測・操作するための技術基盤を構築します。
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