研究総括 |
伊藤 進一 東京大学, 大気海洋研究所, 教授
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研究期間 (年度) |
2023 – 2030
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概要 | 本研究領域では、異分野融合アプローチによる、大気・陸域と海洋の炭素交換過程の解明、大気中CO2濃度増加への生態系を含む海洋の応答機能の解明を通じた海洋とCO2の関係の統合的理解と、海洋機能を最大限活用した気候変動対策のためのイノベーション創出を目指します。
具体的には、大気CO2濃度増加がもたらす海洋への影響について、以下の3つのテーマを柱として進めます。1)海洋の炭素吸収・貯留・隔離プロセスおよび温暖化・酸性化・貧酸素化による炭素循環へのフィードバックプロセスの解明、2)海洋生態系サービスへの温暖化・酸性化・貧酸素化を含めた影響評価と炭素循環へのフィードバックプロセスの解明、3)海洋とCO2の関係性を解明・制御するための革新的な基盤技術の開発。
研究領域の推進にあたっては、CO2をはじめとする炭素循環の様々な要因を高い精度で定量的に把握することや、各種大規模データの解析やモデル化と検証が求められることから、海洋系の研究分野に加え、陸域炭素循環に関連する林学・農学、機械学習などを含む情報科学、そして計測技術などを含む工学など、多様な分野の研究者が「海を解き明かす」ことを目指します。その異分野連携においては統合的かつフレキシブルな運営を推進し、さらに戦略目標の達成に向けた成果を最大化すべく、さきがけ研究領域「海洋バイオスフィア・気候の相互作用解明と炭素循環操舵」とも連携を進めていきます。
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