研究総括 |
東野 輝夫 京都橘大学, 工学部情報工学科, 教授
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研究期間 (年度) |
2021 – 2026
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概要 | 我が国が提唱するSociety 5.0が目指す社会は、人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すデータ駆動社会です。その実現には、人々の社会活動を安全かつ持続的に発展させていくためのICT基盤強化とデジタル変革の推進が求められています。
新型コロナウイルス感染症の流行とその対策過程において、ICT基盤やデジタル変革に関する様々な課題が露呈しました。社会生活のデジタル変革は、人々の生活をコロナ禍の状況に適応させ、社会経済活動を活性化し、社会のレジリエンス性を強化する意味を持ちますが、その実現にはセキュリティ強化や個人のプライバシー保護が重要であり、「Security-by-Design」や「Privacy-by-Design」の考えに基づくソフトウェアやシステムの開発が必要です。
近年、スマートシティや自動運転、IoTを活用した健康・医療、GIGAスクール構想など、新たな社会システムの開発が進んでいます。AIやビッグデータ、IoT技術の進展に伴い、情報基盤を取り巻く環境は大きく変化しています。システム全体をby-Designの観点で捉えた研究開発、安心・安全で信頼できる国産システムソフトウェアやICT基盤整備が必須です。
そのため本研究領域では、理論(数学や計算機科学の基礎)と社会システムの基盤技術(アルゴリズム・アーキテクチャ・OS・ネットワーク・データベース・IoT・セキュリティ・言語等)の研究者の領域内の交流・触発により、国際競争力を強化した科学技術イノベーションの創出を実現し、安心・安全・信頼を支える基盤ソフトウェア技術の創出を通じ、社会変革に向けたICT基盤の強化を目指します。さらに、将来の社会システムの課題解決や社会変革を意識した研究開発を通して、by-Designに資する人材の育成を推進します。
なお、本研究領域は文部科学省の人工知能/ビッグデータ/IoT/サイバーセキュリティ統合プロジェクト(AIPプロジェクト)の一環として運営します。
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