研究総括 |
栗原 聡 慶應義塾大学, 理工学部, 教授
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研究期間 (年度) |
2022 – 2027
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概要 | COVID-19の感染者数予測等により社会シミュレーションの政策への反映が注目されているものの、感染抑制に伴う経済への影響等、複合的な社会状況を社会シミュレーションに反映することにはまだ多くの課題があります。多様なデータやデータの相互関係に内包される個人・コミュニティ・社会の行動特性、関心事、嗜好等の情報を十分に活用できていないためです。このようなマルチスケール(個人、コミュニティ、社会)の様々なデータを解析し、社会シミュレーションに含めることができれば、より複雑な政策シナリオや事業戦略等を、効果的かつ社会受容性高く遂行するプロセスの革新が可能になると考えられます。
そこで本研究領域では、行動変容等の社会変革に向けた基盤として、様々なスケール・種類のデータから人や社会を解析する技術、それに基づいたシミュレーションにより政策シナリオ等を導出する技術を、人文・社会科学と自然科学の融合によって共創することを目指します。
具体的には、防災・減災・リスク管理、感染症対策・リモート化するAfterコロナ社会、社会・経済格差、Web/ソーシャルメディアの健全な利活用等の社会課題をテーマとして、下記の研究に取り組みます。
1)マルチスケール(個人、コミュニティ、社会)の活動データや人文・社会科学の知見に基づく、人や社会の行動特性・嗜好の導出、行動判断等をもたらす要因の特定やそれらのモデル化・数値化等
2)モデル化・数値化した人や社会の特性を導入したマルチエージェント等のシミュレーションにより、政策立案・決定等に資するシナリオの導出
3)導出される政策シナリオ等の効果や社会受容性の向上手法の探索及び1)・2)のへのフィードバック
なお、本研究領域は文部科学省の人工知能/ビッグデータ/IoT/サイバーセキュリティ統合プロジェクト(AIPプロジェクト)の一環として運営します。
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