トリリオンセンサ時代の超高度情報処理を実現する革新的デバイス技術
運営統括 |
大石 善啓 株式会社 三菱総合研究所, 常勤顧問(2020年度ー2029年度)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2029
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概要 | Society 5.0 では、あらゆる情報をセンサによって取得し、AI によって解析することで、新たな価値を創造していくことが想定される。その際、AI は、センサの増大に伴いこれまでとは桁違いの膨大な情報を解析する必要に迫られる。この超高度情報処理の実現には、情報が集約されるクラウド側と、情報が発生するセンサを搭載したエッジ側での情報処理に係る技術革新が必要となる。具体的にはクラウド側では、電気配線の微細化による電気抵抗増大や寄生容量による遅延等が高速化と低消費電力化の限界になっており、この限界の超越に向けて、コンピューター内の電気配線を可能な限り光配線に置き換えるための技術開発競争が世界各国で激化している。しかし、光配線が導入できた場合でも計算処理を行うためには電気信号に変換する必要があり、バッファメモリを備えた光-電気変換インターフェースの更なる高速化と低消費電力化に取り組むことが情報処理の高度化に大きく貢献すると考えられている。一方のエッジ側でも、生体モニタや自動運転等の移動体では、電源の確保に限度があり、一層の低消費電力化が達成できないと、エッジ側に求められている情報処理が十分にできないと考えられている。未来社会創造事業では、令和元年度から、これらのセンサを駆動するための電源として、革新的熱電変換技術の研究開発を開始した。令和2年度は、トリリオン(一兆個)センサ時代の超高度情報処理を実現する、従来のフォトニクス、スピントロニクスをはるかに凌駕するもの、あるいはそれらを融合した技術等様々な技術を応用した革新的情報処理ハードウェア技術を研究開発する。エッジ側の革新的熱電変換技術との相乗効果により、Society 5.0 の実現への一層の貢献が期待される。
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