ナノレベルの分解能と識別感度をもつイオンセンサの実現に向けた技術開発
プログラムオフィサー |
宮原 裕二 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授
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研究期間 (年度) |
2015 – 2020
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概要 | 半導体産業の分野では、ムーアの経験則によるトランジスタ微細化の限界が指摘され、微細化の極限追求と並行して多様化を指向した研究が行われています。その多様化の一つの方向として半導体デバイスとバイオ・化学との融合分野の研究領域が広がりつつあり、世界的に活発な研究が展開されています。半導体を用いたイオンセンサ(ISFET)の最初の研究は1970年にさかのぼり、その後実用化されて長らく汎用pHセンサとして使用されていましたが、2010年、ISFET型pHセンサを高密度にアレイ化したDNAシーケンサが製品化され、半導体とDNAを融合したシステムとして注目を集めました。半導体技術を用いることにより、小型、高密度集積化などの特長を持ったイオンセンサが実現され、この特長を最大に活かすことで新たな応用が拓けることが期待されます。 本研究開発テーマでは上記の背景、方向性に沿った研究領域において「ナノレベルの空間分解能と識別の感度を持つイオンセンサ」に関する研究を推進します。測定対象として試料中に均一に存在するイオンのほか、生体分子の反応や細胞の応答により増減するイオン、あるいは局所的に生成、消費されるイオンなども対象に含め、測定対象に適したデバイスの構造・材料、反応スキームに関する研究開発を推進します。 わが国の産業の強みであるエレクトロニクス、分析機器、化学、素材などの企業が特徴技術を持ち寄り、アカデミアと産業界の研究者が力を合わせて研究開発を行うことにより、医療・健康、生命科学、環境、食品、情報通信などの分野で革新的な機器・システムを創出し、この融合分野で学術、製品ともに国際競争力向上に繋がることが期待されます。
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