体系的番号 |
JPMJER0401 |
DOI |
https://doi.org/10.52926/JPMJER0401 |
研究代表者 |
加藤 茂明 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 教授
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研究期間 (年度) |
2004 – 2009
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概要 | 本プロジェクトでは、動物細胞核内に存在する巨大複合体の同定、およびその機能解析を目指し、未だ報告のない超巨大複合体群の同定も試みました。その結果、これら核内複合体が、選択的な遺伝情報管理において中心的な役割を果たすエピゲノム制御因子 (DNA 塩基配列を変化させずに遺伝子の働きを制御する因子 ) として機能していることなどを次々に明らかにすることに成功しました。特筆すべき成果のひとつとして、細胞核内のタンパク質機能やエピゲノム調節の一つに、糖付加反応機構が関与することを初めて証明しました。核内タンパク質の糖付加反応は、細胞外グルコース濃度に依存するため、糖尿病等の代謝性疾患との関連する可能性が考えられ、白血病ガン細胞の分化誘導治療薬の一つとして、新たに糖鎖付加剤が応用できる可能性を示しました。核内複合体の多様性や核内での幅広い機能について、その一端を明らかにし、エピゲノム制御における重要性を証明することができました。核内複合体が創薬の標的分子として極めて有望な候補因子となりうることが証明され、基本的な生命現象の解明に留まらず、iPS 細胞などの再生医療、新規薬剤・治療法の開発研究など産業的な応用も期待されています。
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