癌細胞特有の染色体欠損(遺伝子多型とアレル欠失)を利用した癌特異的治療薬開発
研究代表者 |
川上 和之 金沢大学, がん研究所, 准教授
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研究期間 (年度) |
2007
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概要 | 1.フッ化ピリミジン系抗癌剤の標的であるチミジル酸合成酵素(以下TS)の遺伝子型がヘテロの個体で、かつ、TS 遺伝子座にアレル欠失を認める癌では正常組織と癌組織間に遺伝子型の相違が発生する。この相違を癌治療に利用し、TS 阻害を癌特異的に増強する核酸医薬を開発する。 2.具体的には、TS mRNA 上の多型配列を含むようにsiRNA を設計し、癌組織側で1 本のみ残るアレルからのTS 蛋白発現を特異的に抑制できれば癌細胞はTS 蛋白を発現できず死滅するが、正常細胞ではもう一方のアレルからTS 蛋白が発現し生存する。この結果、癌特異的にTS 阻害剤の効果が増強され、副作用を抑えた患者に優しい化学療法が可能となる。
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