概要 | 高級和牛の格付けは、専門の格付員により「霜降の度合い」、「肉の色と光沢」、「肉のしまりときめ」、「脂肪の色と光沢」について行われている。また、牛肉のおいしさを決める要因には化学的な味覚と食感のような物理的な味覚がある。これらは牛肉に含まれる成分やその分布との関係が深い。現在までの可視光画像処理技術では格付員の経験によって培われた目視での評価に迫ることはできず、解析的評価はシンプルな分光計測のレベルに留まっている。そこで本研究では、申請者らが開拓した不可視光領域まで拡張したマルチバンド画像解析技術を応用して、おいしさ要因物質の分布と成分解析を実現し、高級和牛のおいしさを熟練の格付員の評価レベルに迫れるように,定量的な評価手法を開発する。これにより生産牛の品質の向上のみならず、販売店と消費者間における品質評価の高速化や低コスト化が可能となる。
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