概要 | 糖アルコールの1種であるキシリトールは虫歯予防や糖尿病患者用甘味料として注目をあびているが、ショ糖と比較して高価なため、より安価な製造法の開発が求められている。現在キシリトールの材料は白樺や樫の木などのβ-1,4-キシランが使用されているが、本研究では、地中海を中心に異常繁殖し、生態系の破壊や漁業に大きな被害を与えている変異種海藻イチイヅタ(Caulerpa taxifolia)の細胞壁構成成分であるβ-1,3-キシランに注目した。申請者はこれまで海域から単離した強力なβ-1,3-キシラン分解細菌Vibrio sp.XY-214 からキシリトール生産に必要な3種類の酵素(β-1,3-キシラナーゼ、β-1,3-キシロシダーゼ、キシロースレダクターゼ)の遺伝子のクローニングに成功している。よって、本研究ではこれら酵素遺伝子の大量発現系を確立し、得られた発現酵素を用いて固定化酵素システムを構築し、β-1,3-キシランからキシリトールを安価で大量に製造する新技術を開発することを目的とする。
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