研究代表者 |
上辻 久敏 岐阜県森林研究所, 森林資源部, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
2007
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概要 | キノコの中でも白色腐朽菌と呼ばれるキノコは、木質バイオマス中のセルロースなど糖質を残し、リグニンを選択的に分解できる。木質バイオマス由来の糖質を発酵源としたエタノールの製造に関して、リグニンは、木質利用の妨げとなる成分であることから、リグニンを効率良く分解する方法の開発が要望されている。現在、白色腐朽菌のリグニン分解処理を実用化する際、長い処理時間を要することが問題となっている。そこで、リグニン分解の効率を高めるために、律速段階の1つと考えられる酵素の大量生産に取り組む。白色腐朽菌の酵素は、一般的に生産性が低くまた長い培養時間を要するなどの問題点があるため、大量生産系が確立されていない。その原因として、白色腐朽菌では、細菌のように菌株の酵素生産能力を向上させる方法が確立されていないことがあげられる。当研究所では、これまでに自然界から酵素生産力の高い菌株を選抜していることから、これに基づき選抜菌から安価でかつ安定した酵素の大量生産方法を確立し、これを産業利用に応用することが本研究の中心課題である。
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