概要 | ダイヤモンド状炭素(Diamond-Like Carbon:DLC)膜は、多くの材料に対してμ=0.2 以下の低い摩擦係数を示し、かつ耐摩耗性に優れていることから、機械・工具の表面処理皮膜として加速度的に応用が展開してきているが、現状のDLC 膜はダイヤモンドに似た構造であるために導電性を有しない点で応用範囲が制限されている.そこで本研究は、申請者らの開発した「セグメント構造DLC 膜」を発展させ、具体的には従来の連続膜に対して碁盤の目の構造を有するDLC 膜を形成し(セグメント構造)、さらにこの溝部に金属を導入することにより、導電性を有し,かつ高い耐摩耗性を有するDLC 膜を開発するユニークな研究である。既に基礎的試験でセグメント構造にすることにより摩耗が改善されること、及びその原因がアブレシブ摩耗の低減であることが確認できており、自動車部品や機械部品等、導電性を有しかつ摺動する幅広い部材への適用が期待される。
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