研究代表者 |
上久保 裕生 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 准教授
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研究期間 (年度) |
2007
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概要 | 蛋白質の機能を解析する為には、溶液条件下で生じる蛋白質の動的構造変化を明らかにすることが本質的である。X 線溶液散乱測定法は、溶液中に存在する蛋白質の構造情報を抽出することができる手法として、古くから活用されてきた。しかしながら、従来、解析に用いることができる散乱曲線は、原点近傍の小角領域に限られており、空間分解能の制限から蛋白質の骨格構造を解析することは不可能であった。現在では、第3 世代の放射光が利用可能となり、更に、X 線検出器の改良が進んだ結果、蛋白質の骨格構造に関する情報を含む数A 程度の分解能の散乱曲線を観測することが可能となってきた。本申請研究では、特に、蛋白質の生理機能発現過程に注目し、近年、測定が可能となった高分解能のX 線散乱曲線から、蛋白質の生理活性状態の骨格構造を解析する、全く新しい手法を確立し、その応用を可能とする基盤を整備していくことを目的とする。
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