細胞増殖因子保持型新規人工真皮の実用化と皮膚欠損、皮膚潰瘍に対する応用
研究責任者 |
鈴木 茂彦 京都大学, 医学研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
2007 – 2011
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概要 | 皮膚欠損、皮膚潰瘍に極めて有効な効果を有する新規基材を企業化する。コラーゲンスポンジとシリコーン膜からなる人工真皮ペルナック?(グンゼ)が真皮軟部組織欠損創の修復に用いられるが、真皮様組織形成に数週間必要とすること、難治性潰瘍症例では感染のため真皮が形成され難い、などの問題がある。この欠点を克服するため体内では短時間で分散される細胞増殖因子を2週間程度保持する新規基材を開発した。新規基材はコラーゲンにゼラチンを10%含有させ、人工真皮と同じ過程で製造する。新規基材は細胞接着、増殖など基材性能は人工真皮と同等で、コストも同程度である。増殖因子なしの単独使用でも問題ない。この様な保持機能を有する基材は他にはない。新規基材と細胞増殖因子(bFGFなど)の併用は、皮膚欠損のみならず、従来の人工真皮が使用できない糖尿病性潰瘍などにも効果が期待され、同患者の多い欧米にも展開可能な医療機器である。
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