高耐熱性、高耐水蒸気性を有する自己複合化水素分離膜の開発と応用
研究代表者 |
永野 孝幸 ファインセラミックスセンター, 材料技術研究所, 副主任研究員
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研究期間 (年度) |
2007
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概要 | 水素社会を担う水素は、現在そのほとんどが複雑な製造工程を必要とする天然ガス(主成分:メタン)の水蒸気改質反応(800°C)によって製造されている。しかしながら、耐久性に優れた無機系水素分離膜を開発し、膜反応器を利用した天然ガスの水蒸気改質に応用することで、複雑な製造工程を一体化し500°Cという低い反応温度でこれまでと同等のメタン転化率(80%)を得ることができる。申請者らは対向拡散CVD 法にてγ―アルミナコートしたα―アルミナ基材上にアモルファスシリカ膜の合成を行い、高価なパラジウム系合金膜と同等以上のガス分離性能を得ることに成功した。この開発した分離膜を用いた小規模モジュールの実証試験において耐久性の向上が実用化への当面の課題であることが判明した。本研究においてはアモルファスシリカ及びγ-アルミナ中間層の耐熱性、耐水蒸気性の向上を図り、膜反応器を用いた新しい水素製造システムの実用化を推進し、クリーンな省エネ社会の実現に貢献する。
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