強磁場カソードスパッタ装置による光学多層薄膜製造技術の研究開発
研究責任者 |
(財)豊田理化学研究所, フェロー事業部門, その他
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研究期間 (年度) |
2004 – 2007
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概要 | 次世代LSIにおいては、パターンの微細化にともなって可視光による露光が出来なくなり、極端紫外線(EUV)を用いることが予定されている。このEUVの場合、従来のガラスレンズによる集光が出来ないために、代わりに光学多層膜による反射膜の利用が考えられている。本プロジェクトでは、EUV用の集光ミラー(光学多層膜)を製造するための成膜装置を開発した。ミラーはMoとSiの多層膜からなるが、多層膜間の界面拡散層が反射率低下の原因となっている。そこで、拡散が小さく反射率の高いミラーを実現するため、超伝導永久磁石を利用した強磁場カソードスパッタ装置を製作し、この装置を用いて作製した多層膜の膜質評価を行った。その結果、本装置の特徴である低ガス圧・長距離成膜によって、従来に比べて平滑な表面と小さい拡散層をもった多層膜を作製することに成功した。結果的に反射率が向上した。1台の露光装置(ステッパ)には多数枚のミラーが組合わされて使用されることから、光学系全体として数十%の透過率の向上が期待できる。
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