義肢構造材用マグネシウム合金への高耐食Mg2Si被覆技術の開発
研究代表者 |
坂之上 悦典 京都府中小企業技術センター, けいはんな分室, 主任研究員
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研究期間 (年度) |
2007
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概要 | 筋力の低下した高齢者において糖尿病などの生活習慣病を患う人が増え、手足の切断などを余儀なくされる方が増えている。身体機能の低下した高齢者に対してもQOL の向上を目指すためには軽量の義肢が必須となる。義肢用構造材としては取り扱い性の観点から金属材料のアルミ合金が主流であるが、実用上最も軽いマグネシウム合金を元に、生体に安全で加工しやすく安価な素材を用いて人体の一部欠損により生じた機能不足を補完する「安心、快適、満足」な軽量マグネシウム合金製義肢部材の提供を本課題の最終目的とする。軽量かつリサイクルしやすいeco マテリアルとして注目されるマグネシウム合金ではあるが、特に耐食性において実用レベルでの使用における問題点は多い。義肢の日常使用では、汗や雨など水分・塩分が豊富にある環境にさらされる。この環境下でマグネシウム合金を使用した場合、現状では金属腐食を抑制する手段としてDOW17 などのCr を主成分とした化成処理が実用的に用いられてきたが、国際的な有害金属除去の流れの中では、今後の使用継続は難しい。そこで、表面処理方法として環境負荷の低いシリコン元素を主成分としたドライプロセスにより、マグネシウム合金製義肢部材に対する耐食性に優れたマグネシウムシリサイド(Mg2Si)被覆技術の開発を行う。
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