局所構造制御による鉄砒素超伝導薄膜の物性制御基盤技術の構築
研究代表者 |
生田 博志 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
2008 – 2011
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概要 | 「構造制御を通した物性制御」という視点で、鉄ヒ素系超伝導薄膜を作製する技術の確立を目指します。具体的には、鉄ヒ素系超伝導体と基板の中間層となるインジウムガリウムヒ素(InGaAs)の組成を制御することによって、広範囲にわたり格子の歪みを制御した薄膜試料を系統的に実現し、物性を人為的に制御します。構造制御された試料はバルク試料(焼結体・単結晶)とは異なり、組成変化など他の影響を伴わずに超伝導転移温度が変化するため、本系の超伝導機構の理解に理想的な舞台を提供することが期待できます。そこで、磁化率、抵抗率などの基本的な超伝導特性を測定するだけでなく、トンネル分光および赤外・ラマン分光により超伝導ギャップなどの物理量を測定し、一方でX線吸収微細構造等による局所構造解析も推し進め、構造と物性の相関の立場から超伝導発現機構の本質に迫ります。これらを遂行するために、高温超伝導体研究とガリウムヒ素(GaAs)やマンガンヒ素(MnAs)などの化合物半導体薄膜成長をそれぞれ専門とする研究者らが共同して課題に取り組み、鉄ヒ素系超伝導体の物質科学を構築することを目指します。
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研究領域 | 新規材料による高温超伝導基盤技術 |