核磁気共鳴(NMR)実験によるオキシニクタイト化合物の研究
研究代表者 |
石田 憲二 京都大学, 大学院理学研究科, 教授
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研究期間 (年度) |
2008 – 2011
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概要 | 本研究チームは、鉄ヒ素系超伝導体とその関連物質の超伝導状態および磁気状態を、微視的な実験手法である核磁気共鳴実験(NMR)から調べます。具体的には、(1)磁気相と超伝導相の関係、(2)常伝導状態の磁気励起、(3)磁気励起と超伝導の相関、(4)超伝導ギャップの構造、(5)超伝導対の対称性などを調べ、鉄ヒ素系高温超伝導の特性を明らかにします。さらに、得られた結果を銅酸化物高温超伝導体や他の遷移金属酸化物超伝導体、および現在までに既知である強相関電子系超伝導体の結果と比較し、類似点や相違点を明らかにすることによって、鉄ヒ素系超伝導体の物性や特殊性、ひいては超伝導機構を明らかにすることを目指します。これらの研究を通して、二次元層状オキシニクタイド構造のもつ特殊性を明らかにし、超伝導と磁性が競合する新たな「強相関エレクトロニクス」の舞台としてふさわしいかどうか検討します。このような研究が物質開発の指針への有用な情報をもたらすものと期待できます。
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研究領域 | 新規材料による高温超伝導基盤技術 |