生分解性材料を用いた環境調和型水中溶存アニオンの高効率吸着材の創製研究
研究責任者 |
独立行政法人日本原子力研究開発機構, その他部局等, 研究員
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研究期間 (年度) |
2008 – 2011
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概要 | シーズとなる放射線グラフト重合技術を活用し、アニオンとしてヒ素の除去をターゲットに開発を進めた。新たな基材となる生分解性材料を用いたヒ素吸着材の合成条件の確立、吸着性能評価、生分解性評価等の基礎となる研究を基に、スケールアップした系での大量合成条件に目途を付けた。さらに、本技術にて製作した吸着材が有する高速通液、低濃度からの元素除去が可能というメリットを生かした日量1m3規模の吸着装置の試作から現地での実証試験を進め、ヒ素濃度0.36mg/Lの実水を処理し、吸着処理後の排水では環境基準値であるヒ素濃度0.01mg/Lを達成した点は高く評価できる。シーズ技術に比較して大幅なコスト低減となりうる開発成果を得ているものの、今後は実用化に向けた更なるコスト低減のための技術開発を継続すると共に、市場への展開に向けた取り組み強化を期待したい。
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