生体吸収性合成高分子を用いた3次元細胞空間の構築とコラーゲン複合化高機能性材料の開発
研究責任者 |
独立行政法人物質・材料研究機構, その他部局等, 研究員
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研究期間 (年度) |
2008 – 2010
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概要 | 企業化しようとする製品は、軟骨、骨、皮膚などの生体組織を再生する多孔質材料(足場材料)である。想定ユーザーは、再生医療の基礎、実用化・臨床研究と産業化に従事する研究者や臨床医、企業である。本製品の用途は、幹細胞や組織細胞を本材料に播き、培養することによって組織を再生させ、大きな組織欠損を治療する再生医療用材料である。本製品の特長は、従来の材料に対して、力学強度、気孔率、孔連通性の高さと優れた生体親和性に加え、組織再生の効率を高めるよう細胞の漏出を抑える効果をもつ点である。従来、高い細胞親和性と形状安定性、高い気孔率を単一の材料で実現するのは困難であった。さらに、播いた細胞が漏れ出すという問題があった。そこで、気孔率と連通性が高く、生体親和性に優れたコラーゲンスポンジを、高い力学強度と細胞の漏出を抑える構造をもつ合成高分子メッシュや円柱状の多孔質織編物に導入する方法を考えた。本方法により、各材料の特長を最大限に生かし、相互の弱点を補った理想的な再生医療材料を開発する。
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