元素戦略を考慮した耐摩耗・高強度特性をもつバインダー改良型超硬合金の開発
研究代表者 |
松木 一弘 広島大学, 大学院工学研究科, 准教授
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研究期間 (年度) |
2009
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概要 | 各種液中での軸受のメカニカルシールは過酷な腐食環境下での使用が余儀なくされるため、耐摩耗性と高強度特性を有したWC系超硬合金が要求される。目標を達成するには、摩耗下で高強度を保つバインダーを有し、母相のWCとバインダー相間で充分な焼結促進の結果、高い界面強度を示す事が要求される。一方、稀少金属元素の使用量制限も迫られている。破壊の起点の一つとなるWC粒同士の接触を避けるため、WC粒表面にNiを均一に無電解めっきする。バインダー相をNiへと変更することで、摩耗下で耐酸化特性や耐環境腐食特性向上につながる。Niの一部をユビキタス元素であるFeで代替することで、WC粉末に存在するCもFe中に固溶できるため、界面強度の向上が期待できる。本粉末に放電焼結法を適用して真密度焼結体を作製し、静的・動的機械強度や摩擦・摩耗特性を評価する。
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