高強度・低弾性率チタン合金(ゴムメタル)を用いた次世代型インプラントの開発
研究責任者 |
松下 富春 中部大学, 生命健康科学部, 教授
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研究期間 (年度) |
2010
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概要 | ゴムメタルをインプラント用材料に利用する可能性を調査した。最適化した条件で生体活性処理したゴムメタル板と兎の脛骨との結合力は無処理板に比べ優位に高かった。また、入手したゴムメタル棒、板の弾性率および引張強度は、それぞれ57~70 GPa、800~1200 MPaの範囲であった。一方、ゴムメタル線を骨折させたラットの大腿骨髄腔に挿入し骨形成量を調べた結果、純チタンに比べゴムメタルの方が仮骨形成量が多いこと、大腿骨に挿入した人工股関節ステムや骨折接合プレートを想定したFEM計算から、ゴムメタルは発生応力の最大値を低下させること、が示された。これらから高強度・低弾性率のゴムメタルインプラントは臨床使用しうる新しい医療機器候補である。今後、長期埋植試験による安全性評価と材料価格の低減が重要な課題である。
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