乳癌の治療薬創出を目的とした、細胞選択的ビタミンD受容体モジュレーターの基礎検討
研究責任者 |
稲田 全規 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授
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研究期間 (年度) |
2010
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概要 | 乳癌はエストロゲンに依存して増悪し、原発巣より高率に骨に転移する。さらに、骨粗鬆症で脆くなった骨に乳癌が転移した場合の骨転移癌の治療は難しい。本研究課題では、生体の骨を維持する活性型ビタミンD3(VD3)を新たに構造展開し、乳癌細胞に抗癌作用を示し、一方、骨を維持する作用を併せ持つ、新規の細胞選択的ビタミンD受容体モジュレーターの創成に向けた基礎検討を行った。その結果、新規に合成した候補因子化合物の数種はVDRE転写を介した生理活性を示した。さらに、乳癌細胞への作用を検討したところ、乳癌細胞の増殖を抑制した。本研究により、細胞選択的ビタミンD受容体モジュレーターの候補化合物を獲得し、乳癌の治療薬創出に向けた基盤確立を達成した。
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