概要 | フェムト秒レーザー(100fs,76MHz)によるポンプ・プローブ計測をベースとした時間分解スピンイメージング顕微鏡の開発を行った。室温において1μmの空間分解能、走査範囲2mm四方の二次元イメージング計測、液体ヘリウム温度においては各々2μm、100μm四方を目標値とした。更に、ヘテロダイン検波システムによる低励起密度(~10W/cm2)での高S/N比Kerr信号計測の実現を目指した。ピエゾ素子による空間位置決め機能の搭載、高分解能顕微レンズの使用、低温測定用顕微レンズ付きサンプルフォルダーの導入によって室温、低温において上記の目標値を概ね達成した。ヘテロダイン検波システムでは、信号とトリガーの位相揺らぎが顕在化しており、光学・検出系の改善(光軸調整によるレンズ収差の低減や、BPフィルターの導入によるノイズの低減等)が必要との見解に至った。
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