マスク換気を評価する顔面-マスク間圧センサーの開発
研究責任者 |
木下 倫子 徳島大学, 病院, その他
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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概要 | 全身麻酔がかかると患者は無呼吸に陥るため、麻酔科医は患者にマスク換気を施す必要がある。安全な麻酔導入のためにマスク換気は必須の手技であるが、上手くマスクを顔にフィットさせられず顔とマスクの間に隙間(リーク)が生じてしまうと、たちまち換気は困難となり無呼吸から低酸素状態となる危険性がある。マスクのフィットは大変重要であるが、これまで顔とマスクのフィット具合を客観的に評価出来る方法はなかった。我々は、顔とマスクの間にかかる圧力分布を測定することで、顔とマスクのフィット具合を評価することが可能であると考え、顔面-マスク間の圧センサーを試作した。そして世界で初めて客観的に、かつリアルタイムにマスクのフィット具合が視認出来るようになった。医療用マネキンを用いた実験では、換気の評価や換気の質改善に有効であることが示された。しかし、初期の試作品では、実際の患者に使うには、デバイスの大きさや安全性に問題があった。そこで本研究では、実際の患者に使うことの出来るデバイスとするため、デバイスのボリュームダウンを図り、また患者の皮膚にも安心して使うことが出来るよう、センサー部分をシリコン素材で覆った。そして、全身麻酔が導入された患者に、新しく制作された圧センサーを用いてマスク換気を行ったところ、センサーから得られた圧力分布は、実際の患者でも換気の質評価に有効であることが証明された。今後は、本デバイスの一般普及を目指していきたいと考えている。
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