遷移金属の複機能性の発現による非貴金属系燃料電池触媒としてのヘモグロビン炭化物の高性能化
研究責任者 |
丸山 純 地方独立行政法人大阪市立工業研究所, その他部局等, 研究員
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研究期間 (年度) |
2010
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概要 | 固体高分子型燃料電池の本格的普及の実現に貢献すると期待される非貴金属系正極触媒の一つにヘモグロビン炭化物がある。本課題では、ヘモグロビンと遷移金属を複合化し、熱処理中に生成する遷移金属酸化物の鋳型となる機能、ならびに遷移金属と活性点との電子的相互作用による電子供給機能によって、ヘモグロビン炭化物でこれまでに得られた活性、耐久性の2倍程度の向上を目指した。鋳型となる機能は見出されなかったが、遷移金属に加えて高表面積ナノ炭素粒子とヘモグロビンを複合化することで高表面積化が達成され、かつ電子供給機能により活性が向上することが見出された。結果として、複合材料全体として見た場合には未だに不十分であるものの、ヘモグロビン炭化物重量当たりでは2倍以上の向上を達成し、ヘモグロビン炭化物が非貴金属系正極触媒として有望であることが示された。
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