概要 | 放線菌の一種Streptomyces coelicolorのキチン2糖(N,N’-ジアセチルキトビオース)輸送系コンポーネント遺伝子dasAを破壊した変異株(dasA破壊株)は、親株よりもキチン分解能が高く、かつ、培養上澄みへのキチン2糖蓄積量が多かった。また、dasA破壊株では、培養上清に単糖(N-アセチルグルコサミン)はほとんど蓄積せず、3糖以上のオリゴ糖は検出されなかった。これらの結果から、dasA破壊株がキチン2糖の発酵的生産に適した性質をもつことが判った。dasA破壊株を用いたキチン2糖製造では、接種菌糸量と原料が重要であり、接種菌糸量を最適化した結果、コロイド状キチンを原料として最大48%の収率でキチン2糖が生産された。
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