迅速かつ明瞭多彩な色調変化を示す糖検出チップの開発
研究責任者 |
兼清 泰正 北見工業大学, 工学部, 准教授
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研究期間 (年度) |
2010
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概要 | 糖応答性ポリマーをナノ薄膜化することにより、応答速度を従来より飛躍的に高めた糖検出チップの開発を目指した。ボロン酸含有ポリカチオンとポリアニオンを、交互吸着法によりガラス基板上に積層することにより、ナノスケールの厚みを有する糖応答性薄膜を作製できた。また、アニオン色素存在下で交互吸着を行うことにより、薄膜中に色調の異なる複数の色素を担持させることに成功した。得られた薄膜を糖水溶液に浸漬すると、糖に応答した色素の脱離が生じ、糖濃度に依存して薄膜の色調が明瞭に変化した。このような色調変化は10分程度の短時間で発現し、従来1時間以上要していた応答時間を大幅に短縮することができた。今後は、共存物質による妨害を抑制する手法を検討し、実用化へ残された課題を解決したいと考えている。
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