概要 | 本研究は、我々が発見したPectobacterium carotovorumが生産するファージ尾部状バクテリオシン(carotovoricin,以下Ctvと略す)の尾部繊維を改変することにより、その抗菌スペクトルを変化させるための基礎技術の確立を目標とした。本研究では数種のCtvについて尾部繊維遺伝子をPCRにより増幅し、それを発現ベクターに組みこみ、そのプラスミドで殺菌スペクトルの最も狭いCtvの生産菌を形質転換することにより、宿主域が変化したハイブリッドCtv生産系を確立した。さらに、目的の尾部繊維のみを持つCtvを生産させるため、生産系に用いるCtv生産株の改良に着手した。しかし、3月の震災で種々の菌株の保存に問題が生じたため、復旧後に出来るだけ速やかに生存を確認し、研究を再開する。
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