非線形光リソグラフィによる無反射ナノ構造を有するレンズモールドの開発
研究責任者 |
西山 宏昭 北海道大学, 電子科学研究所, 准教授
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研究期間 (年度) |
2010
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概要 | 本課題では、非線形リソグラフィを用いた独自開発の立体的表面加工法の低いスループットを改善するため、シーズ技術で、光波長以下オーダの構造周期からなる無反射ナノ構造を備えたレンズ成形用立体ナノモールドを作製することを目的とした。非油浸対物レンズを用いたフェムトレーザリソグラフィ用光学系を構築し、化学増幅型ポジレジストにおいて加工分解能300nmを達成した。これは回折限界の半分以下に相当する。フェムト秒レーザ露光部において、特異的にレジストの熱重合が直接に生じることを見出した。このときの屈折率変化量は10^-3~10^-2オーダであり、光閉じ込め効果による露光分解能を劣化させ得ることを理論的に示した。現状、非平面基板に対応したレーザ描画プログラムを開発し、ガラスレンズモールド上にサブ波長構造を作製することに成功しているが、本手法の原理的に高い加工ポテンシャルを更に活用するためには、今後、露光焦点位置の精密制御に関する検討が必要となる。
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