角膜内皮細胞のアポトーシスを抑制する新規ドナー角膜保存液の開発
研究責任者 |
小泉 範子 同志社大学, 公私立大学の部局等, 教授
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研究期間 (年度) |
2010
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概要 | Rhoキナーゼ阻害剤を角膜保存液に添加することにより、ヒト角膜組織保存中の角膜内皮細胞のアポトーシス、細胞死を抑制することを確認した。アポトーシス、細胞死の抑制率は個体差を認めるものの、Rhoキナーゼ阻害剤により抑制されていることが明らかになった。動物を用いた角膜移植モデルにおいては、早期に角膜が透明治癒し、Rhoキナーゼ阻害剤による副作用を認めなかった。本研究はRhoキナーゼ阻害剤のヒト角膜組織における角膜内皮細胞の障害抑制効果を世界で初めて確認したものであり、新規角膜保存液の臨床応用の可能性が示された。今後も米国アイバンク、企業と共同で研究を継続し、角膜移植の治療成績を向上させる新規角膜保存液の開発につなげる予定である。
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