フラーレンの光化学反応を利用した光電気化学蓄電池の開発
研究責任者 |
樋上 照男 信州大学, 理学部, 教授
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研究期間 (年度) |
2010
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概要 | 本研究開発実施期間において、フラーレンの光化学反応を利用した光電気化学蓄電池(Photoelectrochemical Condenser、PEC)の製品化に対する検討を2つの面から行った。1つ目は1 V以上の電圧を得るためのカソード反応の検討であり、これについては過マンガン酸カリウムや硫酸セリウムの硫酸酸性溶液を用いることによって0.8~1.0 Vの電圧を達成した。2つ目は大きな電流を得るための工夫であり、これには広い電極面積の白金網電極を用いるとともに支持電解質の種類や濃度を検討した。この検討により、従来は0.1 mAであった電流を1.2~1.4 mAにまで改善でき、少なくとも3日間LEDを点灯し続けることができた。今後、カソード反応として空気中の酸素の利用、より大きな電流確保のために、電極や塩橋部だけではなく支持電解質や液絡の改善を行い、PECの製品化に努力する。
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