概要 | 研究責任者は、従来廃棄物と見られているコイ血液から抗菌作用を持つ糖タンパク質(グリコホリン)を調製した。従来使われている化学合成抗菌剤は、自然界では容易に分解せず残留性が常に問題になってきた。そのため環境に対する負荷が高い。そこで本抗菌剤を用いて環境に対する負荷が小さい抗菌剤として、まず水産養殖業の現場をモデルとして合成抗菌剤の代わりになりうるかどうかを検証した。実験1として代表的な魚病の病原菌に対するMICを測定し、さらに人工的に感染させたニジマスを用いてグリコホリン投与実験を行った。実験2としてウイルスに対する有効性を検討した。実験3としてグリコホリン結合カラムを養殖タンクに設置して、経時的に生菌数を測定して水質汚濁防止法 の基準である3,000個/cm3以下を達成することを目標として実験を行った。
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