認知・操作の同時支援による電気自動車の運転支援システムの開発
研究責任者 |
村上 俊之 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授
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研究期間 (年度) |
2010
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概要 | 自動車走行において、路面状態の急激な変化やタイヤの磨耗等の変化、車両積載物による車両重心の変化等により、ハンドル、ペダル操作に対する車両運動の特性は変動する。車両運動に関しては、2輪、4輪駆動、前後輪駆動等の違いによりその運動特性は異なるものとなるが、基本的には自動車の簡易モデルとして知られている2輪モデルによりその特性は定式化可能である。そこで、本研究課題では2輪モデルを仮定し、電気自動車における車両運動特性と駆動モータの関係解析を行う。さらに、ハンドルおよびペダルの操作特性を任意に変更可能なステアバイワイヤおよびハプティックペダルシステム(力フィードバックが可能なペダル)を用いた路面状態フィードバックを構築し、環境状態変化の認知と自動車の操作支援が同時に行える運転支援システムを実現する。本研究課題では、運転支援システムを適用する運転状態の具体例として車間距離制御を取り上げ、提案する運転支援システムにより車間距離を安定に保ちつつ、スリップ率応答の改善も同時に達成できるアルゴリズムの構築法を提案する。従来から、自動車の安全運転支援では、ABS(Antilock Brake System)と呼ばれるすべり抑制機能等も開発されているが、基本的には自動制御(車を主体とした制御)によるものであり、運転者を主体とする制御ではないため、運転者は制御による安定化が行われていることを逐次認識することはできない。
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