概要 | 日本各地に棲息する野生の海洋生物(海藻・珊瑚・苔など)を無菌的に採集し、そこに寄生する海洋微生物(カビ・細菌など)を分離・純化・株化して、51種類を菌株化(ライブラリー化)した。そして、菌株化した海洋微生物を培養した代謝産物(菌株・培養液)からDNA合成酵素(DNAポリメラーゼ, pol)分子種選択的阻害活性を指標にして、pol阻害物質の単離・精製を行った。佐渡島沿岸の野生海藻に寄生するカビからpol阻害活性を有する3物質(うち新規物質2つ)を単離・精製、化学構造を決定した。葛西臨海公園の苔に寄生するカビから単離・精製した2つのpol阻害物質のうち1つは新規物質であった。これらにはヒトがん細胞増殖抑制活性やマウス耳抗炎症活性があったことから、医薬品開発が期待できる。
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