ナノコンポジット化による高性能・高強度熱電酸化物モジュールの開発
研究責任者 |
小菅 厚子 大阪府立大学, その他部局等, 講師
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研究期間 (年度) |
2010
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概要 | 本申請課題は、高温廃熱回収を目的とした熱電モジュール実現のため不可欠な、高熱電特性及び高機械的強度を有するCaMnO3系材料の実用化を目指した研究開発を加速するものである。その手法として、ナノ粒子熱電酸化物とナノ金属粒子をコンポジット化させる事で、熱電特性と機械的強度を同時に改善することを目指した。本研究開発において、数100nmのグレインを有する熱電酸化物マトリックスの粒界を平均粒径数10nmの金属粒子でコートしたナノコンポジット焼結体を作製する事に成功した。このコンポジット材料の電気的特性は、熱電酸化物単体のものより約20%向上した。しかしながら、ナノコンポジット化しても焼結時にひびがはいりやすく、機械的強度を評価できるサイズの試料は現時点では得られておらず、ナノコンポジット化による劇的な機械的強度の改善は達成できていないと考えられる。今後、マトリックスと金属材料の混合比や作製条件の最適化を行う事で、さらなる熱電特性の向上と機械的強度の改善につなげたいと考えている。
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