エピジェネティックな遺伝子発現制御を利用した新規有用天然物の創出法の開発
研究責任者 |
浅井 禎吾 東北大学, 薬学研究科, 助手
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研究期間 (年度) |
2010
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概要 | 糸状菌のゲノム上には、通常の培養条件では発現していない、数多くの未同定二次代謝物生合成遺伝子が存在することが知られており、重要な有用生物活性物質探索源と見なされている。本研究では、エピジェネティックにこれらの生合成遺伝子の発現を誘導し、二次代謝物生産を活性化させる物質探索法として、(1)ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤やDNAメチル化酵素阻害剤を用いる化学的手法:(2)LaeA大量発現系を用いる遺伝子工学的手法の開発を目指した。(1)では、種々の酵素阻害剤の有効濃度やコンビネーションによる効果を検討し、様々な糸状菌に共通して有効な条件を見いだした。その条件を用いて、数種の昆虫寄生糸状菌より、多様な新規二次代謝物の取得に成功した。本手法を用いて、様々な糸状菌を対象に探索を行うことで、数多くの新規物質の取得が期待される。(2)では、Aspergillus nidulansより取得したlaeA遺伝子を組み込んだ大量発現用ベクターの構築に成功した。今後、このベクターを導入した糸状菌を作成し、新規有用物質探索へと展開する。
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