概要 | RXRアゴニストによるTreg誘導については未報告である中、申請者らは独自に創出したRXRアゴニストNEt-3IP (6-[N-ethyl-N-(3-isopropoxy-4-isopropylphenyl)amino]nicotinic acid)によるTreg誘導を世界で初めて見出した。しかし、本化合物は連投により体重増加、血中トリグリセリド上昇、甲状腺機能低下が認められる。RXRアゴニストは、構造の違いにより恊働するPPAR/RXRやLXR/RXRなどのヘテロダイマーに対する活性化能が異なることなどから(Biochem. Pharmacol. 2008, 76, 1006-1013.)、構造の違いにより上述する副作用が回避される可能性が考えられた。これまでにNEt-3IPとは異なるRXRフルアゴニストNEt-3IB (6-[N-ethyl-N-(3-isobutoxy-4-isopropylphenyl)amino]nicotinic acid)やRXRパーシャルアゴニストCBt-PMN (1-[(3,5,5,8,8-pentamethyl-5,6,7,8-tetrahydronaphthalen-2-yl)amino]benzotriazole-5-carboxylic acid; Emax = 68%, EC50 = 488 nM)を見出している。しかし、これらのTreg誘導能、遺伝子発現については未確認である。本研究ではこれらの未解決課題の解決を目指した。
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