トロンビン受容体を標的としたくも膜下出血後脳血管攣縮の新規治療法開発
研究責任者 |
平野 勝也 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授
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研究期間 (年度) |
2010
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概要 | 脳血管攣縮は、急性期を乗り越えたくも膜下出血患者に遅発性に発生し、長期予後を左右する重要な合併症である。本研究は、攣縮発症の基盤となる血管反応性亢進の分子機序を明らかにし、それに基づいた新たな攣縮治療を開発することを目的に実施した。くも膜下出血モデルを用いて、トロンビンに対する脳動脈の収縮反応が増強されるのみならず、受容体脱感作機構の障害により不可逆的に持続することを見出した。さらに、トロンビン阻害剤と抗酸化剤を併用することにより、収縮反応の増強と脱感作機構の障害の両者を改善し、血管反応性を正常化させることに成功した。今後、くも膜下出血患者での有効性を検証し、この併用療法に基づいた新たな攣縮治療を確立する。
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