解離性大動脈瘤の病態解明および治療法開発に貢献する新規なマウスモデルの開発
研究責任者 |
吉岡 和晃 金沢大学, 医学系, 助教
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研究期間 (年度) |
2010 – 2011
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概要 | 解離性大動脈瘤は、主として加齢に伴う動脈硬化を基盤に発症する難病であり、病態解明、治療法の確立が望まれている。申請者は、血管内皮の障壁機能維持に必須な分子である脂質リン酸化酵素PI3キナーゼ・クラスIiα(C2α)遺伝子ノックアウト(KO)マウスが、解離性大動脈瘤の病態解明及び治療法開発のモデルマウスとして有用であるか否かを検討した。その結果、アンジオテンシンII(AngII)を浸透圧ポンプにより2週間全身連続投与することにより、48%という高頻度で解離性大動脈瘤を発症する実験プロトコールを確立した。更に、C2αヘテロKOマウスはAngII投与により顕著な血管透過性亢進を引き金とする炎症性マクロファージの大動脈壁への浸潤及び血管炎亢進が、病態発症の機序であることが明らかとなった。これらの結果は、ヒト疾患との類似性があり、「解離性大動脈瘤」の動物疾患モデルとして非常に有用である。
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