嗅上皮型アデニル酸シクラーゼを治療標的にした抗肥満薬の開発
研究責任者 |
奥村 敏 横浜市立大学, 医学部, 准教授
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研究期間 (年度) |
2010
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概要 | 人間の食物の味わいは臭いと味覚の混合物であり無嗅覚症は食欲の減退を引き起こし体重が減少する。嗅覚受容体は嗅神経細胞内のGタンパク(Golf)-アデニル酸シクラーゼ(AC)経路を活性化させる。嗅神経細胞のACの主要なサブタイプはType3 AC(AC3)であり、AC3欠損マウスは無嗅症になる。そこでAC3選択的抑制剤は、副作用の少ない末梢作用型抗肥満薬になると仮説を立てた。本研究から我々は4種類のAC3選択的抑制薬(Pサイト抑制剤)を既存の化合物から同定し、オスモティックミニポンプを用いてマウスに7日間投与(20mg/kg/day)したところ未投与群に比較してAC3選択的抑制剤投与群では体重増加が抑制された。以上の結果からAC3選択的抑制薬は抗肥満薬になる可能性が示唆された。
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