Aβレセプターを標的とするアルツハイマー病治療薬シーズの開発
研究責任者 |
桑田 一夫 岐阜大学, 人獣感染防御研究センター, 教授
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研究期間 (年度) |
2010
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概要 | アルツハイマー病の脳ではAβの蓄積が見られるが、Aβオリゴマーやアミロイドを薬剤により融解しても、症状の改善が見られないことが、数多くの治験(第三相)において証明されている。一方、Aβの異常凝集体は、細胞表面のプリオンタンパク質と相互作用し、その立体構造変化を誘起することが知られている。我々は、プリオンタンパク質に結合しその立体構造を安定化させる働きを持つ医薬シャペロンを、アルツハイマー病モデルマウスに投与し、その抗アルツハイマー病効果を調べた。その結果、我々が開発した医薬シャペロンであるP092が有意にアルツハイマー病モデルマウスの認知機能や記憶力を改善させることが判明した。このことは、プリオンタンパク質がアルツハイマー病治療薬の新たな標的となりうることを示している。
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