同一の不斉触媒配位子だけで両鏡像体をつくりわけるための手法の開発
研究責任者 |
坂口 聡 関西大学, 化学生命工学部, 准教授
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研究期間 (年度) |
2010
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概要 | エナンチオマーを任意につくりわけることは製薬、農薬、香料産業において重要な研究課題である。本研究では非天然物に頼ることなく、天然アミノ酸から誘導したキラルなN-ヘテロサイクリックカルベン(NHC)配位子のみの使用で、Cu触媒による共役付加反応において、両エナンチオマー生成物を高立体選択的につくりわける技術を確立した。具体的には(i)配位子のデザインおよび配位子前駆体化合物群の調製、(ii)不斉触媒反応における配位子のスクリーニングおよび反応条件の最適化についての検討を行い、立体選択性が逆転した生成物を90%を超える不斉収率で得ることに成功した。配位子前駆体の合成が簡便に行えることからも、本法は実用に向けて技術移転可能な技術になると期待される。
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