炎症性疾患治療の新しい分子標的としてのプロトン感知性受容体に対するアンタゴニストの開発
研究責任者 |
戸村 秀明 群馬大学, 生体調節研究所, 准教授
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研究期間 (年度) |
2010
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概要 | 本研究では我々が見出したpH感知性受容体のアンタゴニストとして作用する化合物が、炎症性疾患に関与する細胞において、酸性pHによる作用を特異的に抑制することを確認することが目標であった。この目標にそって気道平滑筋細胞に焦点をあて、酸性pHによる応答に対して化合物の影響を観察した。その結果、化合物は酸性pHによる応答を特異的に抑制することを確認した。しかしながら、反応時間の長い応答に比し反応時間の短い応答では、この化合物の抑制の程度が低い傾向が観察された。すなわちこの化合物の作用機構は、当初予測していたような単純なものではないことが明らかになりつつある。今後、これらの情報と化合物を製薬関連会社と共有することで、炎症性疾患の開発研究へと発展させたい。
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