研究責任者 |
内尾 祐司 島根大学, 医学部, 教授
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研究期間 (年度) |
2011
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概要 | 本研究では酒石酸のカルボキシル基に活性エステル基を導入したジスクシンイミジルタータレート(DST)を硬化成分とし、ヒト血清アルブミン(HSA)を接着成分とした接着剤(DST+HSA)を用いた難治性半月板損傷に対する治療法の開発を企図し、その有効性と安全性を検討した。その結果、DSTとHSAの至適組み合わせ濃度による本剤はフィブリン系接着剤の約2倍の接着強度を有し、本剤を組み込んだ縫合糸による接着強度は従来の縫合法の約1.3~1.5倍に増加することが判明した。さらにウサギを用いた実験では生体内では接着が6か月に亘り維持され、炎症細胞浸潤や組織障害などの有害事象は観察されなかった。以上から、本生体接着剤は難治性半月板損傷に対する有効かつ生物学的安全性の高い生体接着剤であるといえ、臨床実用化が期待できる方法であると考える。
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