トロンボモジュリン分子がもつ新規な血管内皮細胞保護作用機序の解明
研究責任者 |
池添 隆之 高知大学, 臨床医学部門, 講師
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研究期間 (年度) |
2011 – 2012
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概要 | 遺伝子組換えトロンボモジュリン製剤(rTM)は2008年5月に発売となり、現在、抗凝固薬(抗DIC治療薬)として幅広く臨床応用されている。申請者は、臨床応用の中から本剤には抗凝固作用以外に血管内皮細胞を保護する作用を有していることを見出し、その作用機序を検索した結果、今まで知られていなかった抗アポトーシス作用があることを見出した。即ち、rTMは細胞増殖刺激シグナルERKの活性化を介して抗アポトーシス蛋白質Mcl-1の発現を誘導し血管内皮細胞を保護していることを明らかにした。更に、各種TM変異体を作成し、血管内皮細胞保護を担っている新規最小構造単位を同定した。今後はこの新規TM変異体を大量に生成し、血管内皮細胞障害動物モデルでその有効性及び安全性を検証し、血管内皮細胞障害に起因する各種疾患に対する治療薬として臨床開発の可能性を探索したい。
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