癌細胞の増殖を抑制する副作用の少ない分子標的制癌剤の開発
研究責任者 |
遠藤 智史 岐阜薬科大学, 生命薬学大講座 生化学研究室, 助教
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研究期間 (年度) |
2011
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概要 | 癌で高発現し、癌細胞増殖や既存の抗癌剤耐性化に関与することが報告されている2種の還元酵素AKR1C3とAKR1B10を標的とする分子標的制癌剤の開発を目標とし、以下の結果を得た。低濃度のプレニルアルデヒド添加によって大腸癌HT29細胞の増殖能は上昇し、AKR1B10の発現量の増加によってもMAPキナーゼ系の亢進を介した増殖能の上昇が確認された。また、両酵素それぞれに特異的な阻害剤 (AKR1B10については阻害定数6 nMのカフェ酸誘導体、AKR1C3については阻害定数0.1 μMのシンナム酸誘導体) を見出した。これら阻害剤は細胞実験においても還元酵素活性阻害及び癌細胞増殖抑制効果を示し、細胞レベルでも有用であることが示唆された。
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