研究責任者 |
廣原 志保 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教
|
研究期間 (年度) |
2011
|
概要 | 本研究課題では、光線力学療法(PDT)用腫瘍集積性光増感剤の開発として、ポルフィリン骨格よりも光殺傷効果が高いことが知られるクロリン骨格を光増感剤に用いたtrans2置換糖鎖連結クロリンの開発を行った。様々な培養ガン細胞株を用いた試験において、開発した薬剤は、最も高い薬効を示していたtrans2置換糖鎖連結ポルフィリンや臨床薬剤よりも高い光殺傷効果を示した。また担ガンマウスを用いた体内動態評価において、開発した薬剤は選択的にガン部位に薬剤が集積した。さらに担ガンマウスを用いたPDT試験においても、臨床薬剤よりも非常に低い薬剤投与量で優れた治療効果を示した。このように本研究では、当初の目標以上に優れた腫瘍集積性および光細胞毒性能を有するPDT用光増感剤の開発に成功した。今後、他大学 医学部との研究を進め、共同開発を行っていただける企業を募る。
|